◆ 最初に
記事は基本的にWindowsユーザー向けに書いています。
Linuxの方は
> 過去の記事(裏ページ)
などを参考にしてください。
また、前提として、ファイルの拡張子表示を有効にしておいてください。
その方法は、ここには記載いたしません。調べて実行しておいてください。
TeXとかよくわからないけど、使ってみたいという方は、記事を頭から読んでください。
MusiXTeXの使い方さえわかればよいという方は、「マニュアル」の項目だけご覧いただいて、次のページへどうぞ。
◆ MusiXTeXとは
MusiXTeXとは、TeXで楽譜が書けるようになる代物です。
私も使用しているだけなので、詳しいことは知りません。
おそらく
>>
こちら
が答えになりそうです。
……私は読んでもよくわかりませんでしたが……。
MusiXTeXは、フリーの楽譜作成ソフトを探している人にお薦めします。
ただし、テキストエディタで楽譜の元となるコマンドをポチポチと打っていく必要があります。
TeXが好きじゃないと辛いかもしれません。
(逆にTeXを知らなくても、htmlタグの手打ちなどが好きな人には向いていると思います。)
MusiXTeXを簡単に使うためのツールとして、PMXやM-Txがあるようです。
しかし、私はこれらを使用していないのでよくわかりません。ごめんなさい。
それでもMusiXTeXを使ってみたいという方は、以降の説明へどうぞ。
◆ テキストエディタ
MusiXTeXを作るときには、テキストエディタでTeXファイルを編集することになります。
「メモ帳」ではない、テキストエディタを用意した方が良いかと思います。
私のオススメは、サクラエディタです。TeX対応のフリーソフトで、背景色なども変更することができて便利です。
>> サクラエディタ
◆ コマンドプロンプト
MusiXTeXをWindowsで使うとき、基本的にはコマンドプロンプトを使うことになると思いますので、
最初にショートカットを作成しておきましょう。
Windows7の場合、「スタート>すべてのプログラム>アクセサリ>コマンドプロンプト」を右クリックして、ショートカットを作成します。
Windows8では、まず、スタート画面で画面最下部からちょっとドラッグして、「すべてのアプリ」から「コマンドプロンプト」を探します。
「コマンドプロンプト」を下にちょっとドラッグして、「ファイルの場所を開く」をクリックしてください。
「コマンドプロンプト」のショートカットがあるので、デスクトップにでもコピーしておいてください。
※Windows8ではもっと簡単なやり方があるかもしれません。調べてみてください。
以降は補足です。読んでおくと、後々ためになるかもしれません。
コマンドプロンプトを開いてみてください。
行の頭に最初から書かれているのが「カレントディレクトリ」です。
エクスプローラーで言うと、「どのフォルダを開いているか」になります。
「カレントディレクトリ」の移動には「cd」(change directory)コマンドを使います。
Windows7/8ならば、フォルダのドロップでパスが表示されます。
「cd 」を打ちこんでから適当なフォルダをドロップし、「Enter」キーを押してみてください。
「カレントディレクトリ」が変わりますね。
※(「cd」の後の半角スペースを忘れないでください。)
MusiXTeXで楽譜を作成する際には、基本的に、自分で作成したTeXファイルがある場所へ「cd」するはずです。
覚えておいて損はないと思います。
コマンドプロンプトを終わるには、「exit」を入力します。(もちろん「×」でも大丈夫ですが。)
◆ PDFリーダー
MusiXTeXで楽譜を作成した場合、最終的にはPDFファイルを得ることになるかと思います。
また、Windowsの場合、普通に使っていたらPDFリーダーはAdobe Readerとなります。
しかし、(2011年09月現在、)Adobe Reader 9はリロードができないんですよね。
(PDFを開いたままファイルを更新しようとするとエラーとなってしまいます。)
リロードができないというのは、MusiXTeXで編集するときには、ちょっと不便です。
ぜひ、リロードが可能なPDFリーダーをインストールしておいてください。
私のオススメは、Sumatra PDFです。
>>
無料 PDF リーダー - Sumatra PDF by Krzysztof Kowalczyk
◆ W32TeXのインストール
ようやく、TeXのインストールについての項目です。
2014年01月現在、W32TeXをインストールすると、MusiXTeXも一緒に入ります。
とてもお手軽なので、W32TeXをインストールしましょう。
下記サイトをご覧いただき、書いてある通りに実行していただければ大丈夫です。
>>
Microsoft Windows - TeX Wiki
>> W32TeX
とはいえ、これで説明を終了していては当記事の意味がありませんので、
参考までに、私が行ったインストール手順を記載しておきます。
以下のようにして、2014年01月に Windows8 へ W32TeX をインストールしました。
インストール先のトップフォルダは「C:\Users\(usr)\W32TeX」とします。
※(usr)はユーザ名です。環境に合わせて、書き変えてください。
ダウンロードすべきものはすべて、
>> W32TeXにあります。
1. 簡易インストーラ texinst2013.zip を、 C:\Users\(usr)\temp\ にダウンロードします。
2. 以下の最小インストール物(必須物)を、 C:\Users\(usr)\temp\ にダウンロードします。
latex.tar.xz / mftools.tar.xz / platex.tar.xz / pdftex-w32.tar.xz / ptex-w32.tar.xz / web2c-lib.tar.xz / web2c-w32.tar.xz
※IE10だと(?)勝手にファイル名が変更されている場合があるので注意してください。
3. 以下の標準インストール物を、 C:\Users\(usr)\temp\ にダウンロードします。
dvipdfm-w32.tar.xz / dvipsk-w32.tar.xz / ltxpkgs.tar.xz / makeindex-w32.tar.xz / manual.tar.xz / newtxpx-boondoxfonts.tar.xz /
pgfcontrib.tar.xz / t1fonts.tar.xz / tex-gyre.tar.xz / ttf2pk-w32.tar.xz / txpx-pazofonts.tar.xz / vf-a2bk.tar.xz / xetex-w32.tar.xz / xypic.tar.xz
※IE10だと(?)勝手にファイル名が変更されている場合があるので注意してください。
4. unzipコマンドが使えない場合、 unzip.exe を C:\Users\(usr)\W32TeX\ にダウンロードします。
5. コマンドプロンプトを開きます。
6. texinst2013.zip を C:\Users\(usr)\W32TeX\ に展開します。
コマンドプロンプトに以下を入力します。
cd C:\Users\(usr)\W32TeX
unzip C:\Users\(usr)\temp\texinst2013.zip
7. tar.xzファイルを展開します。
コマンドプロンプトに以下を入力します。
texinst2013 C:\Users\(usr)\temp
8. バイナリディレクトリに実行ファイルを保存します。
コマンドプロンプトに以下を入力します。
copy *.exe bin
これで、インストールできました。
次に、環境変数の設定を行います。
(これは、「コマンドプロンプト」の「カレントディレクトリ」がどこであってもTeXが実行できるようにするための設定です。)
「すべてのアプリ」から「コントロールパネル」を探し、
「コントロールパネル>システムとセキュリティ>システム>システムの詳細設定>詳細設定>環境変数」を開きます。
「ユーザ環境変数」で「新規」により、変数名「Path」、変数値「C:\Users\(usr)\W32TeX\bin」を設定します。
ここで、コマンドプロンプトを一旦閉じます!
◆ TeXのテスト
無事にTeXがインストールできているかどうか、テストします。
下のサイトの通りにしていただければよいかと思います。
>>
Microsoft Windows - TeX Wiki
――と投げっぱなしもよくないと思うので、一応説明を。
テキストエディタでファイルを作り、ファイルの中身は以下とします。
\documentclass{jarticle}
\begin{document}
テスト
\end{document}
ファイル名を「test.tex」とし、C:\Users\(usr)\tempに保存してください。
次にコマンドプロンプトで下記を打ちこみます。
cd C:\Users\(usr)\temp
platex test.tex
dvipdfm test.dvi
start test.pdf
PDFファイルとして「テスト」の文字が表示されましたか?
表示されたらTeXのテストは成功です、おめでとうございます。
次の項目へ進んでください。
私がWindows8にインストールしたときには、エラーが出てしまいました。
そのときの対処は
> こちら。
◆ MusiXTeXのテスト
次に、MusiXTeXがインストールできているかどうかの実験をします。
>> MusiXTeX and Related Software
上記サイトから「Small Examples」の「quod.tex」をダウンロードして、お好きな場所に保存してください。
コマンドプロンプトを開き、「cd」で「quod.tex」がある場所に移動してから、下記のコマンドを入力します。
tex quod
musixflx quod
tex quod
dvipdfm quod.dvi
start quod.pdf
サイトにあるものと同じ「quod.pdf」が表示されれば、インストールは成功です。
お疲れ様でした。
◆ make.bat の作成
さて、楽譜を作る度に「MusiXTeXのテスト」で行ったようなコマンドを打ち込まなければなりません。
あらかじめ make.bat を作成しておくと、楽ができそうです。
書き方が下手なので恥ずかしいですが、私が使っているバッチファイルを公開しちゃいます。
@echo off
SET filename=%~n1
::SET "filename=星の在り処"
SET mx1=%filename%.mx1
SET mx2=%filename%.mx2
SET dvi=%filename%.dvi
SET pdf=%filename%.pdf
SET log=%filename%.log
SET aux=%filename%.aux
::ptex "%filename%"
platex "%filename%"
musixflx "%filename%"
::ptex "%filename%"
platex "%filename%"
del "%mx1%" "%mx2%"
dvipdfm "%dvi%"
del "%dvi%" "%log%" "%aux%"
::pdfopen --file "%pdf%"
行頭がセミコロン2つの場合、その行はコメントとなります。
上記では「SET filename=%~n1」が有効なので、バッチファイルへドロップしたファイルをコンパイルすることができます。
逆に「SET "filename=星の在り処"」を有効にすると、「星の在り処.tex」をコンパイルすることができます。
状況に応じて使い分けてください。
また、ptex を使うか、 platex を使うかもコメントアウトで対応してください。
※ptex と platex の違いは、後々出てくると思います。
最終行の「pdfopen --file "%pdf%"」を有効にすると、処理終了後にPDFファイルを開くことができます。
◆ マニュアル
>> MusiXTeX and Related Software
MusiXTeXのマニュアルは、上記サイトの「Primary Documentation for MusiXTeX, PMX and M-Tx」の「MusiXTeX」にあります。
英語です。がんばってください。
……日本語のマニュアルがあれば、かなり便利です。
>> MusicTeXに、
日本語版マニュアル(MusiXJdc for MusiXTeX Ver.T98)のソースがあります。
PDFファイルがあれば便利なので、自分で作ってしまいましょう。
まず、
>> MusicTeXから
MusiXJdc.zip をダウンロードし、解凍します。
MusiXTeXが使える状態ならば、バッチファイル(musixjdc.bat)を実行すれば、DVIファイル(musixjdc.dvi)が生成されると思います。
コマンド「dvipdfm musixjdc.dvi」でPDFファイル(musixjdc.pdf)を作りましょう。
日本語版マニュアル(musixjdc.pdf)を見てみると、すごいページ数です。
が、せめて、最後のページだけでも手元に置いておいてください。
残りの部分は、MusiXTeXが使えるようになってから読んでみるといいのかもしれません。
もちろん、当サイトも参考にしていただけるとうれしいです。